カーポートとガレージ|3つの違い
カーポート選びの前に、まずはカーポートとガレージの違いをおさえておきましょう。どちらも同じく車を停めるスペースですが、両者には違いがあります。屋根と柱で構成されているカーポートに対し、屋根以外の3方向が壁で囲われているのがガレージの定義です。カーポートには設置が安くて簡単というメリットがあり、解放感があって駐車しやすい点もうれしいポイント。一方、3方向を壁で覆われているガレージは雨風から車をしっかりと守ってくれ、防犯性も高まります。以下、3つの視点からカーポートとガレージの違いについてさらに詳しく解説します。
カーポート | ガレージ | |
---|---|---|
スペース | 狭いスペースでも設置可能 | 広いスペースが必要 |
セキュリティ | 防犯性は低い | 防犯性が高い(シャッターがあればなお高い) |
施工費・固定資産税 | 比較的安く、固定資産税がかからない | 高い、固定資産税の対象 |
1. スペース
屋根と柱のみで構成されているカーポートはガレージよりも小さなスペースで設置可能。しかし、カーポートやガレージを設置する際に気を付けたいのが建ぺい率です。建ぺい率とは敷地に対する建物の割合で、建築基準法や自治体によって決められています。カーポートもガレージも基本的には建ぺい率に含まれるため、基準値を超える場合は設置ができません。また、ギリギリで大きなカーポートやガレージを作ってしまうと、今後他の建築物を増やせない可能性もあります。ただし、下記の条件を満たす場合は部分的に建ぺい率に入れなくて良いとする緩和措置もあります。
建ぺい率緩和の条件
- 柱の間隔が2m以上
- 天井の高さが2.1m以上
- 外壁のない部分が連続して4m以上
- 地階を除く階数が1である
建ぺい率緩和の条件を満たしていれば、その分住宅やカーポートの大きさを広げることも可能です(※自治体によって判断が異なる場合があるので確認が必要です)
2. セキュリティ
防犯性はガレージの方が優れているといえるでしょう。特に、鍵付きのシャッターを導入すればより安心して車を置くことができますよね。カーポートを採用したいけれどいたずらなどが心配という人は、防犯カメラやセンサーライトといった防犯グッズを活用するのがおすすめです。
3. 施工費・固定資産税
ガレージに比べ、屋根と柱だけのカーポートの方が費用を抑えられます。素材やオプションで価格は変動しますが、車1~2台分であればカーポートの場合は15~50万程度、ガレージは100万円程度です。さらに、商品だけでなく工事費も大きく差があります。また、費用といえば固定資産税も押さえておきたいポイント。基本的にカーポートには固定資産税はかかりませんが、壁で囲まれているガレージは固定資産税の対象になります。そのため維持費の面でもカーポートの方が低コストに。固定資産税については自治体によって異なる場合もあるため、気になる人は確認してみてはいかがでしょうか。
カーポートの種類
カーポートの種類ごとに、その特徴や駐車台数をご紹介します。
駐車台数 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
片側支持タイプ | 1台 | ・価格が安い ・解放感がある ・増設可能 | ・強度と安定性が弱い |
両側支持タイプ | 1~数台 | ・安定性がある ・複数台駐車可能 | ・柱が駐車の邪魔になる可能性がある |
後方支持タイプ | 1~数台 | ・解放感がある ・駐車しやすい ・複数台駐車可能 | ・工事に費用と時間がかかる |
Y合掌タイプ | 2台 | ・解放感がある ・車の出入りがしやすい ・変形の土地でも設置可能 | ・連結部部分に雪や雨が積もりやすい |
M合掌タイプ | 2台 | ・2台駐車可能 ・種類の違うものを組み合わせできる ・変形の土地でも設置可能 | ・柱が駐車の邪魔になる可能性がある |
車を2台駐車したい場合は片側支持タイプを連結、両側支持タイプ、後方支持タイプのワイドタイプから選択することになります。設置する場所によって選択できるカーポートが限られる場合もあるため、詳しくは施工業者にご相談ください。では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
片側支持タイプ
左右の片方の柱で屋根を支えるタイプで、駐車や発進の際、柱が邪魔になりづらいのが特徴です。基本的に駐車台数は1台のみですが、後で新しい片側支持タイプと連結させてY合掌タイプやM合掌タイプにし、駐車台数を増やすことも可能です。また、設置費用が抑えられるため、コストをかけたくない、後々車の台数が増える可能性があるなどの場合におすすめです。
両側支持タイプ
屋根の両端に柱があり、片側支持タイプより安定性があるのが両側支持タイプ。ワイドタイプであれば数台の車も駐車可能です。車を2台駐車する場合、合掌タイプよりも両側支持のワイドタイプの方が費用が安く、見た目もすっきりします。ただし、変形した土地や片側に配管などの地下埋蔵物がある場合は設置できないケースもあります。
後方支持タイプ
後方に柱のある後方支持タイプは見た目がすっきりとしており、車の出し入れもしやすいというメリットがあります。車の台数によって大きさも選べますが、強度を保つために基礎を大きくする必要があり、その分設置にかかる費用は高くなる傾向にあります。
Y合掌タイプ(2台)
Y合掌タイプは片側支持タイプのカーポートの柱を連結させており、屋根の連結部分がくぼんでいることが特徴。解放感がありつつ、真ん中に柱があることで車の出し入れもしやすいのがメリットです。左右で大きさの違うカーポートも組み合わせることができ、敷地に合わせたサイズを選ぶことができます。変形した土地でも設置可能ですが、中心部分に雪が積りやすいため豪雪地帯では注意が必要です。
M合掌タイプ(2台)
M合掌タイプは片側支持タイプを屋根で連結させています。左右でサイズの違うカーポートを連結することもでき、大きさの異なる車を2台駐車したい場合なども対応できます。
カーポートの材質
カーポートの屋根と柱にはいくつか種類があり、材質によって強度や特徴が異なります。
屋根の材質
ポリカーボネート
安価で強度があり、劣化しにくいポリカーボネートは最もよく使われる材質。弾力もあるため、加工しやすく色や形が豊富です。熱性遮断のものを選べば暑い日に車内の温度が上昇するのを防いでくれます。
FRP
FRPとはプラスチックにガラスなどの繊維を混ぜて強度を上げた複合素材。熱性遮断加工されたものもあります。
スチール折版
ガルバリウム鋼板でできた波型の材質です。耐荷重性や強度に優れているため、風や積雪にも負けない強さが魅力です。
アルミ
アルミの屋根は防火性、耐久性、遮光性に優れているほか、錆びにくいといった特徴もあります。
柱の材質
スチール
安価で丈夫なスチールはカーポートの柱によく使用されます。しかし、将来的に錆びてしまう可能性があるためメンテナンスが欠かせません。
アルミ
軽くて丈夫なアルミは錆びる心配がありませんが、その分スチールより価格が高くなります。
サイズ・高さの計算方法
カーポートは車に合わせてサイズを選びましょう。駐車や乗り降りのしやすさを考慮して少し余裕を持たせるのがポイントです。具体的には下記のサイズ以上を目安に選んでください。
- 高さ:車の全高+30~50cm
- 奥行:車の全長+60cm以上
- 幅:車の全幅+100~150cm
上記を参考にしたうえで、トランクやドアの開閉も考慮するとより使いやすくなります。また、自転車も置きたい場合には+αの空間もあると良いでしょう。
カーポート選びで失敗しないための3つのポイント
最後に、カーポート選びで気を付けたいポイントについて解説します。
1. 地域の気候風土をチェック
まずは、カーポートの材質がお住まいの環境に適合するかどうかを見極めましょう。例えば積雪地帯では雪の重みでカーポートが倒壊する可能性がある、台風が多い地域ではカーポートが破損・倒壊する危険性が高まるなど、その地域ならではの気候の特徴には注意しておきたいところ。カーポートそれぞれで異なる耐積雪量や耐風圧強度をふまえて商品を選びましょう。
2. 住宅の雰囲気に合わせる
外から見えるカーポートは家の印象に大きく影響を与えます。そのため、カーポートそのもののデザインだけでなく、住宅の雰囲気と合っているかどうかも見極める必要があります。また、設置場所によっては配管などの地下埋設物が障害になって設置できないケースがあり、その場合は設置場所やカーポートの変更が必要です。丁寧に現地調査を行う業者を選定すれば購入後に設置できなかったといったトラブルを予防することができます。
3. 駐車しやすさ
カーポートの設置位置を決める際は、車が駐車しやすいかどうかにも注目しましょう。例えば、道路側に柱があると位置によっては駐車しにくくなってしまいます。そんな時は駐車位置を変更したり、後方支持タイプなど柱が邪魔にならないカーポートを検討したりする必要があります。
4. ご近所トラブルにつながる施工に注意
カーポートが道路にはみ出したり隣家境界線を超えたりしないようにも注意が必要です。隣家境界線に収まっていても、ギリギリに設置してしまうとカーポート上の雪や雨が隣家に落ちてしまうなど、予期せぬご近所トラブルにつながる恐れもあります。
カーポートの価格・工事費用相場
カーポートの価格は駐車台数、素材、形状によって大きく異なります。一般的な相場としては車の台数1~2台であれば15~40万円程度の商品が多くなっています。3台以上駐車可能となると値段が上がり、100万円以上のものも珍しくありません。また、商品のほかにコストがかかってくるのが設置の工事費です。こちらもカーポートの形状や設置場所によって値段が変わりますが、相場としては5~10万円が目安といえるでしょう。カーポートの設置にはお住まいの地域環境や設置場所の状況などさまざまな要因が関係します。それぞれ値段に開きがあるため価格を重視しがちですが、安さだけで選んでしまうと後々、破損やトラブルにつながる可能性も。まずはしっかりと現地調査を行う業者を選び、カーポート設置の可否やプランを検討するのがおすすめです。
おすすめカーポート|人気は「LIXIL(リクシル)」
カーポートのメーカーはLIXIL(リクシル)、三協アルミ、YKK AP、四国化成などがあり、特に人気なのがLIXILです。商品の種類が多く、サイズや色の展開も豊富なため、理想のカーポートが見つかります。
中でも「フーゴ」シリーズは、耐風圧強度が42m/秒相当と頑丈な造りが魅力。屋根が丸みを帯びている「フーゴR」とフラットタイプの「フーゴF」とがあり、屋根のパネルや本体のカラーバリエーションも豊富です。
そのほか、人気なのは「カーポートSC」。アルミ形材の屋根で直射日光を遮り、夏場に車内が高温になるのを防ぐとともに色褪せや日焼けからも守ってくれます。また通常のカーポートで使われるポリカーボネートが汚れが気になりやすいのに比べ、カーポートSCは汚れが気になりません。見た目もすっきりとしてスタイリッシュなため、デザインにこだわりたい人に人気の商品です。
カーポート選びにお悩みの際は大阪エクステリアにご相談ください
カーポートは大切な愛車を雨や日差しから守るだけでなく、お庭をおしゃれに演出してくれます。また、雨が降っている時には車を乗り降りする際小さなお子様や荷物が濡れてしまわないよう守ってくれる心強い味方です。カーポート設置で大切なことはポイントをおさえて最適な商品を選び、信頼できる業者に依頼すること。地域密着で35年以上エクステリアの実績を重ねる大阪エクステリアはカーポートの施工も多数行っていますのでぜひご相談ください。また、HPで施工事例もご覧いただけますのでご参考にしてみてくださいね。
大阪エクステリアでのカーポート・ガレージの施工事例
大阪エクステリアで設計施工したカーポート・ガレージの実例をこちらで紹介しています。
リフォーム現場はビフォーアフターを掲載しています。 ぜひ一度、ご確認ください。